good-bye, hi-lite.

恋とニコチン。

2015/11/12

禁煙から107日20時間。 伸びた寿命:22日11時間。 節約できた金額:12397円。 貯まったビタミンC:レモン1078個分。 3ヶ月半くらい経ちましたでしょうか。 前回の禁煙は4ヶ月あたりで(ちょっと1本いいかしらー、誕生日だしー。)とかいう腑抜けっぷりで、そ…

2015.10.6

禁煙から70日23時間。 伸びた寿命:14日18時間。 節約できた金額:8142円。 貯まったビタミンC:レモン710個分。 近くに喫煙者がいると(あ、たばこのにおいする)と思うようになってきた。 (けっこうけむたいな)とか。 眉間をしかめて嫌がる、という感じ…

2015/09/14

禁煙から48日20時間。 伸びた寿命:10日4時間16分 節約できた金額:5612円。 貯まったビタミンC:レモン489個分。 気がついたら禁煙を始めて1ヶ月半ほど経っていた。 同じ期間だけ酒も呑んでいない。 手持ち無沙汰で困る。 周囲には「十二指腸潰瘍で。」と言…

砂漠の小舟 (水星文庫)作者: 丹生谷貴志出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1987/04メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見るずっと欲しかった本を買えてうれしい。 少しずつ読んでいる。 この人の筆致だけが信じられる。 言葉が物質…

7.8

etc

みつ、ミツ、mitsu、mitsou、蜜、光、満つ、 いろいろな音色で、わたしは呼ぶ、彼の名を。ミツの柔らかい肌と透明な眼球は、まだそれを許してくれているようだから。お前の名前を、この世のすべての事象に、書き込むようにして、私は呼ぶのだ。誰からもおま…

1.8

etc

今朝なんて公園の噴水に張ってる氷をブーツの先でぱりんと割ってみたりしてさ。涼しい太陽の光線に貫かれていく薄い結晶が、そのあっという間の消滅が悲しかったりね。ほんとうに、なにやってんだか。

12.23

なんだか小憎らしい顔つきになってきたね。と夫の人がミツを見て言う。 私もそう思う。 知恵がついてきた、ということなんだろう。言葉の存在をうっすら理解しはじめてきたみたいだ。 ある音声とある事物がつながりを持っていることに気づく瞬間、というのが…

11.26

ミツが弱っているみたいだ、と保育園から連絡があった。 いつもとても元気で、よく食べるしよく笑う、歩くのもじょうずになって、いないいないばあが大好きで、 でもそんなミツが、どこかおかしい、と。離乳食の時期から食べるのが好きで、食事の苦労はあん…

9.18

このまえ1歳になったミツを預けて、仕事に出ている。 1日のなかで一緒に過ごす時間が極端に少なくなったし、彼のことを考える時間もこれまでに比べて減った。安心して預けられる環境があって喜ばしいはずなんだけど、なんだか「収奪」された……じかんどろぼう…

9.10

etc

例えば 「すべてがうつくしい」と 唱え続けてみること。 そんなはずはない、そんなことありえない、 だってわれわれの目の前に広がるこの陰惨な風景をおまえはどう解するのか たぶんそのとおりだ。 私は反論も批判もしない。 そのとおりだ。こどもは、けっし…

岡田隆彦詩集 (現代詩文庫 第 1期30)作者: 岡田隆彦出版社/メーカー: 思潮社発売日: 1970/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る

8.6

風の中で、すべてがいっせいに動き出す。現存在が遍く弱々しい震えをおびて、すでに私の眼では捉えることができない。ミツの眼はおそらく未だ機械に近いのだろうと思う。統覚から限りなく自由な野生の眼だ。見るべきものなど何もないという恐ろしいほどの自…

7.20

外に連れていくと、ミツはいつも風をつかまえようとする。ずいぶん伸びた手足をさらにのばして、空の端まで指の限りに。ちいさなてのひらに緑と蒼のにおいを含んだ風が柔らかくあたり、丸くかたまって指の間をすこし舐めて、きらきら散らばりながらもう一度…

7.8

死刑長寿作者: 野坂昭如出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る凄まじくおもしろかった。 主述の構造を骨抜きにしてしまう語り=唄の文体の異様な厚み。 表題作、回帰する記憶の疾走感、空襲のなか降る…

6.24

etc

何故人間は完全にロジカルに生きられないのか、と。 おそらく完全なロジックというのは一種の虚構だからだ。 人類のみに享受することが許された醒めない夢と言ってもいいかもしれない。 私が映写の練習をしているとき、熟練の映写技師に教えられたのは 傷つ…

6.1

ある朝、私とミツの目の前で、巣立ったばかりのちいさなちいさな小鳥が猫に喰い殺された。 からだのそこここに和毛が残り、まんまるい黒ボタンみたいな眼も横に広がったうすいくちばしも、ようやくヒナから脱したばかりの幼さを見せていた。まだぜんぜんうま…

5.13

ミツは今日、初めて誰かの悪意に出会った。 それは、もっと丁寧に言えば悪意というほどのものでもない、些細なできごと、ちょっとした驚き程度のものだ。 先月からベビースイミングに通っている。 プールの更衣室には0歳から3歳までのこどもたちが芋の子を洗…

5.10

etc

takagengenさんのついったー*1読んで、「愛の純粋贈与」についてぼんやり考えたりしていた。私がミツの世話をしているこの一連の時間的行為は、果たして氏がキリスト教の幼児洗礼について言う「愛の純粋贈与」と同じものなのだろうかと。 なぜ、キリストは十…

5.3

なしくずしの死〈上〉 (河出文庫)作者: ルイ‐フェルディナンセリーヌ,Louis‐Ferdinand C´eline,高坂和彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2002/03メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 54回この商品を含むブログ (31件) を見る がらくたはこわれやすい。…

4.30

ねえ、ミツ、今日はいい天気だったねえ。ぽやぽやあったかくて、なんだか光がけむたいみたいで、眼がしょぼしょぼしちゃって、こういうのが春っていうんだとおもうよ。ねむいねえ。ねむいよ。おとうさんはもう起きてるかなあ。ミツが最近夜泣きをするから、…

4.20

etc

ミツを連れて実家に帰ってきた。 私の生地は関西とはいえ山陰の奥深くで、文化圏としてはむしろ中国地方に近い。 山陰というのは本当に陰鬱な光の土地で、いくら晴天の陽射しが降り注いでいてもそこにわずかな濁りが常に含まれているような気がする。 そんな…

4.16

幸福かどうかなんて、奴隷のする問いだよ。そうは思わないかい、ねえ、ミツ?

4.9

ちいさな身体を捩るようにして悶えながら何度も目を覚ます。 夜泣き、が始まったみたいだ。 私も合わせて眠れずにいる。頭蓋の内側がじりじりと焼け付くように痛む。不眠の痛み。「春のせいじゃないか」 「そうなの?」 「うん。春は残酷な季節なんだろう?…

ほら、あんなに汗をかいて。

etc

人間には美しい詩編が必要だ。それはときに残虐で醜く汚辱に塗れているとしても、必要なんだ。 生きるために。ただそれだけのために。 お前にそのようなものを、私は与えられるのかな。どうだい、ミツ?

3.19

etc

あっというまに、って定型の文句だけど、ほんとうに、気がついたら半年が経っていて ミツはずいぶん大きくなった。 大きくなった小さい手で私の顔や首やセーターの襟口をちからいっぱいつかむ。 生まれた時よりもますます透明になった瞳を世界中に凝らしてい…

2.27

etc

おとといはあんなにいい天気だったのに昨日の夜からざんざん降りの雨で、どうせ降るなら雪が降ってしまえばいいのに、生きてるものがみんな硬く硬く縮こまって眼だけ爛々光らせて、一面の白が音なんか吸収してしまって凍り付いた空気はそよぎもしない、そん…

2.9

2月に入ったとたん歯が生え始めて、サーモンピンクの柔い歯茎にまっしろな、かたい、とてもちいさな、宝石みたいな歯の欠片が埋まっている。まるで宝探しをしているような気分で、指の腹で何度もそっと触ってみる。 今日で生後5ヶ月になる。離乳食を始めてみ…

1.31

この方って純文学作家でしたっけ……。「週刊宝石」のような(*イメージです)文体だわ…。退廃姉妹作者: 島田雅彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/08/05メディア: 単行本 クリック: 34回この商品を含むブログ (37件) を見る

1.25

窓際に抱いて連れていくと、ミツが窓ガラスを小さな手で叩く。「この向こうにある風景をおまえは信じているのか?」 「信じる?」 「在る、ということをだ」 「さあどうだろう。判らない。存在していると思っていなければやってられないからね」 「ニエプス…

1.22

彼の眼球に最初に触れた光のことを思う。最初に聴いた雨音のこと、最初に頬を撫でた風のこと。 それらは少しも特別なものではなく、日々のありきたりな事象にすぎなかったはずだが、しかしおそらくそれらは「事件」だった。 まぶしさが痛みだということを彼…