good-bye, hi-lite.

恋とニコチン。

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7.8

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みつ、ミツ、mitsu、mitsou、蜜、光、満つ、 いろいろな音色で、わたしは呼ぶ、彼の名を。ミツの柔らかい肌と透明な眼球は、まだそれを許してくれているようだから。お前の名前を、この世のすべての事象に、書き込むようにして、私は呼ぶのだ。誰からもおま…

1.8

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今朝なんて公園の噴水に張ってる氷をブーツの先でぱりんと割ってみたりしてさ。涼しい太陽の光線に貫かれていく薄い結晶が、そのあっという間の消滅が悲しかったりね。ほんとうに、なにやってんだか。

9.10

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例えば 「すべてがうつくしい」と 唱え続けてみること。 そんなはずはない、そんなことありえない、 だってわれわれの目の前に広がるこの陰惨な風景をおまえはどう解するのか たぶんそのとおりだ。 私は反論も批判もしない。 そのとおりだ。こどもは、けっし…

6.24

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何故人間は完全にロジカルに生きられないのか、と。 おそらく完全なロジックというのは一種の虚構だからだ。 人類のみに享受することが許された醒めない夢と言ってもいいかもしれない。 私が映写の練習をしているとき、熟練の映写技師に教えられたのは 傷つ…

5.10

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takagengenさんのついったー*1読んで、「愛の純粋贈与」についてぼんやり考えたりしていた。私がミツの世話をしているこの一連の時間的行為は、果たして氏がキリスト教の幼児洗礼について言う「愛の純粋贈与」と同じものなのだろうかと。 なぜ、キリストは十…

4.20

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ミツを連れて実家に帰ってきた。 私の生地は関西とはいえ山陰の奥深くで、文化圏としてはむしろ中国地方に近い。 山陰というのは本当に陰鬱な光の土地で、いくら晴天の陽射しが降り注いでいてもそこにわずかな濁りが常に含まれているような気がする。 そんな…

ほら、あんなに汗をかいて。

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人間には美しい詩編が必要だ。それはときに残虐で醜く汚辱に塗れているとしても、必要なんだ。 生きるために。ただそれだけのために。 お前にそのようなものを、私は与えられるのかな。どうだい、ミツ?

3.19

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あっというまに、って定型の文句だけど、ほんとうに、気がついたら半年が経っていて ミツはずいぶん大きくなった。 大きくなった小さい手で私の顔や首やセーターの襟口をちからいっぱいつかむ。 生まれた時よりもますます透明になった瞳を世界中に凝らしてい…

2.27

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おとといはあんなにいい天気だったのに昨日の夜からざんざん降りの雨で、どうせ降るなら雪が降ってしまえばいいのに、生きてるものがみんな硬く硬く縮こまって眼だけ爛々光らせて、一面の白が音なんか吸収してしまって凍り付いた空気はそよぎもしない、そん…

1.18

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去年の9月9日に男の子が生まれた。名前をミツという。 ミツは「光」であり「蜜」であるのだが、いちばん思い浮かべてほしいのは、バルテュスが幼い頃飼っていた小さな猫のことなのだ。10歳のバルテュスが描いたミツについての画集には、リルケがとても美しい…