good-bye, hi-lite.

恋とニコチン。

4.30

ねえ、ミツ、今日はいい天気だったねえ。

ぽやぽやあったかくて、なんだか光がけむたいみたいで、眼がしょぼしょぼしちゃって、

こういうのが春っていうんだとおもうよ。

ねむいねえ。ねむいよ。

おとうさんはもう起きてるかなあ。

ミツが最近夜泣きをするから、おとうさん眠くって眠くってかあいそうね。

うちに帰ったら起きてるかなあ。どうだろう。

ミツとかーさんばっかりで散歩してるからさ、おとうさんきっとつまんないよ。たぶん。

ねえもう起きてるかなあ。


賭けようか。

かーさんはねえ、まだ寝てると思うな。

ぐうぐう寝てるよきっと。

ミツは起きてると思う? もうお仕事行っちゃったと思う?

賭けようか。

そうだなあ、かーさんはじゃあ、あの八重桜をいっこ賭けるよ。

風でころころ転がってる花房じゃなくて、あのピンク色のゆらゆら揺れてる大きな八重桜の木いっこ。ぜんぶ。

ミツはなににする?

あれにする?あのひこうき雲がいいねえ。じゃあミツはひこうき雲いっこ賭けるね。

どっちが勝つかなあ。

おとうさん起きてるかなあ。

寝てるといいなあ。