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good-bye, hi-lite.

恋とニコチン。

1.18

etc

去年の9月9日に男の子が生まれた。名前をミツという。
ミツは「光」であり「蜜」であるのだが、いちばん思い浮かべてほしいのは、バルテュスが幼い頃飼っていた小さな猫のことなのだ。10歳のバルテュスが描いたミツについての画集には、リルケがとても美しい言葉を寄せている。

 彼の孤独な、小さな顔を見たまえ、誰が彼を見すてたのか? 一匹の猫だろうか?ーー最近父親がざっと描きかけていたミツの肖像でもって、彼の心の慰めになるだろうか? いやそうはいかない。その中には予感がこもっていたのだ。そして喪失はいつから始まっているともしれない! 決定的なこと、宿命的なことなのだ。彼は帰ってくる。泣く。両手で自分の涙をあなたに示す。

 彼の涙をよく見たまえ。

 これが物語だ。

この世に生を受けて100日あまり、彼の喪失はすでに始まっている。泣きながら生まれてきたこと。日々流される熱い涙のこと。そうして一瞬間、幾度も差し挟まれる短い笑いのこと。