9.18
このまえ1歳になったミツを預けて、仕事に出ている。
1日のなかで一緒に過ごす時間が極端に少なくなったし、彼のことを考える時間もこれまでに比べて減った。
安心して預けられる環境があって喜ばしいはずなんだけど、
なんだか「収奪」された……じかんどろぼう、なんだろうか?……ような気がしてしまう。
毎日おおきくなる。
骨が伸びる。
しなやかに筋がのびちぢみする。
眼球の動きが鋭くなる。
指が繊細さを増す。
今日読んでいた『花のノートルダム』の一節でわたしは即座にミツを思い出したのだ。
彼はレースの指をもっていたと言っておこう、目覚めるたびに、「世界」を迎え入れるために伸ばされ、開かれたその腕は、秣桶のなかの幼な子イエスのような様子を彼に与えていたのだ、と−−
日々世界との接触面を拡大させているこのちいさな生物の格闘に見合うなにものかをわたしは闘い得ているか
- 作者: ジャンジュネ,鈴木創士
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
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